1月7日は春の七草を入れた「七草粥」を食べる人も多いと思います。
最近はスーパーなどで「春の七草セット」が売られていて、簡単に手に入れられますね。
でも近くに便利な「セット」を売っているお店がなかったり、海外に住んでいたりしたら、何か他のもので代用できるでしょうか。
そもそも「春の七草」って栄養やそれによる効能があるのでしょうか?
七草以外にお粥に入れられるものに、何があるでしょうか?
春の七草の栄養と効用
「七草粥」は、お正月のごちそうで疲れた胃腸を休めるために食べると言われています。
でもそれは現代の話で、冬場に野菜などがあまり食べられなかった時代に、早春に芽吹く野菜・野草からビタミンなどを補給する、というのが本来の目的だったのではないでしょうか。
「春の七草」は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロです。
その栄養と効用を調べてみました。
芹 (セリ): 青々とした葉には豊富なβカロテン、ビタミンCやミネラルが含まれています。食物繊維もたっぷり。セリ独特の香りには鎮静効果があります。
薺 (ナズナ): 通称「ぺんぺん草」ですね。昔から民間薬として、肝臓病・解熱・血便・血尿・下痢・高血圧・止血・生理不順・腹痛・吐血・便秘・利尿・目の充血や痛みに使われてきました。
御形( ゴギョウ): ハハコグサのことです。現在は草餅にはヨモギが使われていますが、 かつてはハハコグサが使われていました。干して、咳止めや内臓疾患に効く健康茶として使われています。
繁縷 (ハコベラ):ハコベのことです。そういえばおいしそうな草ですね。小鳥なども喜んで食べますよね。ビタミンA、B、C、を含んでいて、 健胃・整腸作用、消化作用にも優れています。
仏の座 (ホトケノザ): コオニタビラコのことです。 現在ホトケノザと呼ばれているものとは別物です。健胃・整腸作用・高血圧予防に効果があるとされています。
菘 (スズナ): 蕪(カブ)のことです。根の部分より葉の部分の方が栄養価は高い(β-タカロテン、ビタミン、カリウムなど)のですが、根菜は食物繊維を多く含んでいる優良食品です。胃もたれや胸やけを解消する働きや整腸効果があります。
蘿蔔 (スズシロ ):大根のことです。蕪と同じで、葉の部分はビタミンなど栄養価が高いです。根の部分も、消化を助け、胃酸過多、胃もたれや、胸やけなどに効果があります。
こうして見ると、薬草として使われているものが結構あるんですね。
新しい年になって、新しい草や木の芽が出始める頃。そのエネルギーをもらって元気に一年を過ごそうということなのでしょう。
「春の七草」以外に「七草粥」に入れるものは?
北国の1月7日はまだまだ真冬です。
野原もまだ雪に埋もれて、草の芽が出るのはまだ先です。
「七草粥」もその地方に合う形に変化したようです。
北国の「七草粥」には、お豆腐や油揚げなど、野菜以外のものをよく使っています。
「七草粥」には「春の七草」だけを入れるわけではないんですね。
「春の七草」以外に、全国で「七草粥」に入れられるものです。
蕗、ゼンマイ、ニンジン、ササゲ 、ゴボウ
ワラビ、きのこ、高菜、ずいき 、
ダイコン葉 、ミツバ、昆布、煮干し、青菜
白菜、ネギ、タラの芽、シイタケ、干瓢
ユリ根、じんだ(大豆粉の団子) 、馬鈴薯 、ウド 、里芋
冬菜 、豆、小松菜 イタドリ、みず(ウワバミソウ)
アイコ(ミヤマイラクサ)、ウド、うるい(ギボウシ)、さやいんげん
油揚げ、豆腐、納豆、凍み豆腐、干し大根
こんにゃく、糸こんにゃく、焼き豆腐
はらこ(イクラ)、蒲鉾、切り餅 、干し柿
中には「え?!」というものもありますね。
お粥ではなく、お雑煮にしたり、お粥と煮物を別に食べたり、というところもあります。
地方それぞれで、興味深いですね。
代用品で七草粥を作る
「春の七草」が手に入らない場合、なるべく身近な食材で「七草粥」を作ってみましょう。
七草粥をサッパリした白粥仕立てにするなら、やっぱり野菜類でしょうか。
上に書いた、各地で作られている七草粥を参考にしてみると良いですね。納豆入りというのも食べてみたい気がする。。。
「春の七草」から大根と蕪とセリ、これに手に入れやすい、白菜、ダイコンの葉 、ミツバ、小松菜を入れるというのはどうでしょう?
海外だと手に入りにくい野菜もありますね。
海外と言ってもいろいろなので、自分の住んでいるところで手に入るものを思い浮かべてみてください。
普段はサラダで食べているようなもの、イタリアンパセリとかルコラなどもおいしいですよ。
私が住んでいるドイツでは最近いろいろな野菜が売られるようになって、大根はもちろんカブを見かけることもあります。白菜も簡単に手に入ります。ミツバや小松菜はまず売っていることがありません。
ネギの類なら、手に入るところが多いのではないかと思います。
コリアンダー(パクチー/香菜)は手に入るとしても、人によって好き嫌いが分かれるので気を付けたいですね。
「七草粥」は、普通にお粥を炊いて、火から下ろす少し前に細かく刻んだ「七草」を入れます。
まとめ
今年の「七草粥」は、このオリジナルバージョンで一年の健康を祈りたいと思います。
あんまりさっぱりしているのでは物足りないなら、鶏肉を入れるとか、お節料理の残りの蒲鉾を入れるとか、ごま油をたらすのも良いかもしれません。
「七草粥」を食べて、1年を健康に過ごしましょう!
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